第 10 集 (2005年01月)

 

 

□ 市鍼灸師会が 韓国 「一鍼学会」 訪問

 

  広島市地区鍼灸師会(植田信夫会長)は 1月 2日(日)から 6日(木)までの 5日間、交流覚書
を交わしている韓国の一鍼学会を訪問し、韓国の鍼灸医療の現状を視察するとともに 学術交流を
行いました。
  韓国を訪問したのは 広島市地区鍼灸師会の植田会長ら 10人。一鍼学会の診療所があるソウル
大邱、釜山の三市を廻り、一鍼学会の金廣浩(キム ビョンホ)会長らと懇談するとともに、金会長ら
が 実際に鍼灸治療している現場に立ち会いました。また、訪問団の中の鍼灸師も”実験台”となり、
治療を実体験しました。その中の一人、南区で診療所を開いている山本孝忠さんは 金会長から
「ねんざ」した足の治療を受けましたが、3日間の治療で、ウソのように痛みがひき、その劇的な
治療効果に驚いていました。
     
   

金廣浩会長の治療を見学する
植田会長ら(1月2日)

劇的な治療効果が
訪問団を驚かせた

 
     
   

現地の大邱放送(TBC)も
治療交流を取材

一鍼学会の実績は評判を呼び
申し込んでも半年待ちという

 

 

    一行を迎えた大邱広域市では、一鍼学会や昨年11月に結成されたばかりの「大邱・慶尚道韓日
親善協会」(朴相何会長)が中心となって、歓迎パーティが開かれ、80人余りが参加して、交流を深
めました。今回の訪問の模様は大邱広域市の新聞やテレビでも報道されました。
  広島市地区鍼灸師会と韓国の一鍼学会は 昨年 8月、広島市で交流覚書に調印。(調印の記事
はトピックス第5集 4項目に掲載しています) 今回は調印後初の交流となりました。
  今後の交流について植田会長は「一鍼学会は韓国の東洋医学の最先端にあり、技術的にも学
ぶ点が多い。今後は広島側で協同組合を設立する受け皿づくりをすすめ、双方の利益になる交流
をしたい」と話しています。
     
   

大邱広域市での歓迎会には
80人が参加(1月3日)

「カンパイ!」「コンベ!」
植田会長(右)と金廣浩会長(左)

 
   
   

琴や韓国舞踊で歓迎を受けた

   




 

□ 日韓協 中国・四国ブロック会議

 

  日韓親善協会中央会の中四国ブロック会議が 04年12月 8日(水)、広島市中区のリーガロイヤル
ホテルで開かれました。
  中四国各県の親善協会(連合会)から役員 15人が出席。金井宏一郎広島県協会会長のあいさつ
のあと、越智通雄理事長が「05年 5月、愛知万博にあわせて 日韓親善協会中央会総会と 日韓両国
の親善協会の合同総会を開く。日本側からは 810人を目標に参加者を募り、総会を成功させたい」
と延べ、各県の協会(連合会)の協力を要請しました。この日、中央会が示した広島県の参加者の
目標は 20人。ブロック会議では、このほか 05年の国交回復40周年の記念行事のとり組みなどに
ついて各県側から報告がありました。

 

 

□ 朴承武 元広島総領事(現公使)が出版
     「ソンビとサムライ」


 

 
 

  朴 承武 公使

「ソンビとサムライ」
(朴 承武 著)

 
    駐広島韓国総領事館の総領事を 2年間つとめ、現在 駐日韓国大使館の公使(経済担当)の職
にある 朴承武(パク スンム)氏が、このほど 広島時代の体験をまじえた著書「ソンビとサムライ」を
日本語で出版し、話題になっています。
  「韓国人外交官の見たニッポンの姿」という副題が示すように、朴承武公使は 2000年 8月から
2002年 8月まで駐広島韓国総領事館の総領事として勤務したほか、日本勤務が通算 10年に及ぶ
日本通です。昨年 6月に韓国語で出版した本の日本語版ですが、現職の外交官が日本をどのように
見ているかが 良くわかると、話題を呼んでいます。
  「ソンビ」というのは 朝鮮王朝時代の学識と品格を持った人に対する敬称。「サムライ」はご存知
のとおり、士農工商の武士を指します。
  同じ上流階級でありながら、身分が固定した日本に対して、朝鮮朝では 平民にも上位の身分に
変わることができる、といった日韓の文化の違いを説き、それを 本のタイトルにしています。
  広島の総領事時代に 子ども記者のインタビューを受けた時の体験から書き起こし、両国民の
ものの考え方や意識のギャップについて述べています。この中で、朴承武公使は 広島での ある
パーティで「日本は いつまで韓国に謝罪を続けれはよいのか」という不満の声を聞き、また 「日本
統治には 良い面もあった」という意見が寄せられたことをとりあげ、次のように反論しています。
「韓国側も いつまでも謝罪を求めるつもりはない。ただ、謝罪があったと思うと すぐに これを否定
するような政治家の”妄言”がとび出し、謝罪の真意を疑わせるような事態になる。日本の韓半島
統治は、日本の利益のためであって、韓半島の利益のためではないことを忘れないでほしい」。
  朴承武公使は このほか 推理小説好きの日本人と、推理小説にはあまり興味を示さない韓国人
の違いなどを具体例をあげて説明し、興味をそそります。
  この本の日本訳には 広島県日韓親善協会理事 井下春子さんも協力しました。