第 71 集 (2010年06月)

2010「総会」及び関連行事 その③

       □ 広島日韓親善協会 講演会
          金容雲の伝言 ━ これからの100年へ

金容雲の伝言 - これからの100年へ

講演する金容雲氏

「新時代の日韓大文明を---」

 

 当協会は 日本の韓国併合 100周年にあたり、漢陽大学名誉教授(檀国大学特任教授)金容雲氏を招き2010年度通常総会の関連行事として上記の演題で講演をお願いしました。
  安重根の「独立」の遺墨が展示されたステージで演壇に立った金容雲氏は、感慨も一入の様子でした。
  金容雲氏の講演要旨は次のとおりです。
  韓半島と日本列島の交流の歴史は、5000年前にさかのぼり、人種的のは双方が南方系・北方系の要素を備えている。
  言語でいえば、韓国語は新羅、日本語は百済語を中心に発展して来たが、もとをたゞせば、同じ言語。しかし、地理的・風土的な条件が歴史を別方向に発展させた。
  例えば、国民文学では、日本には忠臣蔵、韓国には春香伝がある。ともに復讐をテーマにしているが、忠臣蔵には「死愛的」美学があり、春香伝には「生愛的」美学がある。
  経済の発展の仕方はどうかというと、日本は兵農分離、年功序列で発展したが、韓国は晴耕雨読、チンチャ(元気)ナヨ、家門中心の思考でつまづいた。しかし「生愛的」思考をもって経済成長をなしとげた。
  つまり、両国は同じ人種、言語をもちながらも異なった方向に文化を発展させて来た。
  今日の情報化社会は新しい価値観を必要としている。日・韓の異なる文化を包容する新時代の日韓大文明を期待している。
  安重根は東洋平和を理想とし、それを妨げる圧力を排することに身を投じた。
  日韓併合100周年、(かって大和政権が)白村江を攻撃したルサンチマンよりも平城遷都1300年のルネッサンスの文明史的な意味を考えよう。