第 123 集 (2014年08月)

□ 10周年の青少年囲碁交流
            広島の11名釜山で頑張る

  日本と韓国の青少年が囲碁をとおして対話する「広島韓国青少年囲碁交流」が10周年を迎えました。今年は外務省の関係団体・日韓文化交流基金の支援を得て、8月3日(日)に広島から総勢18名が韓国を訪問。釜山広域市で翌4日(月)まで現地の青少年と対局しました。結果はハンディ付きとはいえ、広島の選手の健闘が目立ちました。現地ではこの10年間の草の根交流の成果をたたえ合いました。
  今年訪韓したのは広島・山口両県から選手11名と広島県日韓親善協会・日本棋院広島県本部の役員、保護者ら7名。
  2004年に試験実施し日韓友情年の2005年に正式にスタートしたこのイベントは、広島と韓国から毎年交互に訪問し合う形で実施しており、今年は広島から訪問する年。折から台風11号と重なり、福岡から釜山行きの高速船が欠航になったため、急きょソウル行きの飛行機便に切り替えて、仁川からKTXで釜山入りしました。
  釜山港に近い中区中央洞フンクービル14階にある釜山囲碁協会では8名の少年少女棋士たちが待ち構えていました。8名の内6名が小学生でプロを目指して研修中ということで、中・高校生が殆んどの広島チームに比べて年齢差はありましたが、実力は折り紙つき。
  このため、この日の自由対局では初回から囲碁交流を指導している釜山囲碁協会理事のハーミョングンさんや広島チームの指導員、四方治雄さんらが協議、釜山側の段位を引き上げてバランスをとり対局をすすめました。その結果3日の対局は広島側10勝11敗というほぼ互角の成績でした。

  台風の余波で風雨が残る翌4日(月)。午前中は韓国のワイキキといわれる海雲台海岸などを散策。プサンタワーのある龍頭山公園を観光したあと再び釜山囲碁協会へ。
  この日午後は釜山24名、広島11名による正式対局。張りつめた雰囲気の中、一人3局をハンディ付きで戦い、広島は21勝12敗でした。この後の自由対局は23勝2敗。合わせて44勝14敗という成績で、前日の自由対局の結果をトータルしますと54勝25敗という好成績でした。中でも、6戦して全勝した山口・防府高校1年の西村僚太郎君、4勝1敗の広島学院高校2年の坂倉健太君、8勝2敗の祇園北高校3年の大瀬友樹君らの健闘が光りました。
  この結果について広島チームの四方治雄指導員は「広島の選手が幼稚園のころから囲碁をはじめて、この十年で力をつけたのも事実だが、韓国はプロ志向の子供たちを英才教育していて底辺が広い。先方が段位をあげてハンディをつけてくれた結果が好成績につながった」と分析しています。

  広島韓国青少年囲碁交流2日目の8月4日(月)、釜山広域市韓日親善協会主催の歓迎夕食会が宿泊先の釜山国際ホテルで開かれました。夕食会には李鍾均・韓日協会会長をはじめ朴洪圭副会長、金福鎭事務局長ら。慶尚南道韓日親善協会の徐哲雨会長、釜山国際交流財団の金ヨンチュン事務局長や交流に参加した双方の青少年や指導者、保護者ら70名が出席しました。
  まず、釜山協会の李鍾均会長が青少年囲碁交流10年の歴史を振り返り、交流は釜山と広島の親善協会10周年の試験実施で始まったが、今では親善事業のシンボルにになった。交流を通じて韓国を代表するプロ棋士が生まれたのもうれしい」を述べました。これに対して広島チームの団長をつとめた広島県日韓親善協会の玉木 実専務理事は「この企画は『韓国は囲碁大国。日本勢は足元にも及ばない』」という囲碁マニアのスタッフとの雑談がヒントになって実現した。釜山協会の全面協力がなければここまで続かなかっただろう」と謝意を述べました。
  このあと、記念品の交換や出席者同士の歓談が続き和やかなひと時を過ごしました。

  今回、釜山に遠征した一行は正式対局を終えた8月5日(火)、仁川空港へ向かう帰途、ソウル市内にある韓国囲碁協会に立ち寄りました。たまたま、当日は日中韓台代表による世界囲碁マスターズが開かれていて日本の棋士との顔合わせもできました。特にテレビでお馴染みの女流棋士万波菜穂、昭和の名人藤沢秀行さんの孫でプロ入り最年少記録をもつ藤沢里奈さんとは協会の玄関でばったり出会い、旧知の浅本 博副団長らとあいさつを交わしたり記念写真におさまったりしていました。
  囲碁ファンの一行には忘れられない思い出になったことでしょう。

  <ごあいさつとお礼>
  初めにもご紹介しましたように、広島韓国青少年囲碁交流は2004年に試験実施、2005年に正式スタートしました。当初はお国柄の違いや実力差もあり、うまくいくかどうか心配でしたが、釜山囲碁協会や日本棋院広島県本部が実力で勝る韓国選手の段位を引き上げてハンディをつけるやり方を編み出していただき、近年では広島・韓国がほぼ互角の成績となりました。
  ここに至るまで日本棋院広島県本部のご協力で熊本県や富山県の選手を招き参加者が数百名規模に膨れ上がったり、韓国側も釜山だけでなく広島市の姉妹都市・大邱に足を伸ばしたり、友好関係にある慶尚南道の選手を受け入れたり、さまざまな試みをしてきました。その都度、広島と韓国の囲碁関係者、親善協会の皆さまにお世話になりました。
  囲碁は言葉の要らないコミュニケーションと言われています。この11年間に対局した両国の1,000名に近い青少年棋士たちに、かけがえのないコミュニケ―ションの場を提供できた、と自負しています。また、この囲碁交流から韓国と日本を代表する棋士たちが育っていることも、関係者の誇りです。これまでの囲碁交流のうち今回を含め4回は外務省の関係団体・日韓文化交流基金のご支援をいただいています。ここに改めてお礼を申し上げます。
    2014年8月
                      広島県日韓親善協会
                      会長  青木 暢之
                      日本棋院広島県本部
                      本部長 大下 俊明